さて、この連載は基本私なりに、一番ダイレクトにお金がかかわってくる状況について語ってきました。戦後の高度経済成長期にごく地味な中小企業主として成功した父の背中を見続けて受け止めたこと、そして私自身FPとして働きながら学んだことを合わせて、今Netに氾濫しすぎている、かなり問題なお金がらみの偽情報に対抗する意味も込めてます。

 

Netビジネスや、クラウドソーシングを元にしたフリーランスの稼ぎかたがらみの情報があふれ、さらにお先真っ暗な年金問題も絡まって、投資に興味を持つ人達もどんどん増えています。

でも、投資は他のやり方で作った資産を、ゆっくり増やすのに向き、一方Netベースのビジネスは流行り廃りがあり、いつまでも同じように稼げるわけではありません。

 

私は、自分の父のそれなりの成功を横で見ながら、自分の会社を持つことがどうしてこの資本主義の世の中で結局王道であるということを、たとえば中流サラリーマン家庭に育った若い人たちに比べ、実感として持っています。

 

そして今この時、この日本という国でいかにこれが有利かつ比較的初期参入障壁が少ないかを、6つにまとめ、この連載の結論にしたいと思います。

 

1.2025年の中小企業後継者不足問題

 

そもそも、この連載のアイデアを考えていたとき、いわば上がりである起業についてイマイチまとまってませんでした。で、去年の終わりに読んだのがたしかこの記事。

中小企業の半分が2025年に消滅!大廃業時代の現実と危機

 

外から来た人が最近はいろいろなことをいっていますが、基本日本の経済は戦後優秀な中小企業によって支えられてきたのが現実です。

 

確かに、中国を始めとするアジア諸国に追いつかれ競争に負けていった企業も少なくありませんが、その一方で小さいなりにニッチを確保し、Only oneの存在として地道に存続してきた会社もものすごく多いのです。

 

それが、2025年をピークに大廃業時代を迎えるのです。

 

この記事から抜粋しますと、なんと日本の中小企業の3社に一社が廃業を迎えると言われ予想される損失は、

GDP喪失22兆円、雇用喪失650万人

 

です、さらに、廃業を予定していると言われる会社の半分は、なんと

 

経常黒字

 

経営からみたら完全に優良企業。でも現在の経営者が老齢に達しているのにもかかわらず

 

後継者がいない

 

ただそれだけの理由で、このままほっておくと日本の経済が2025年に半壊します。

 

日本なんてオワコンなどと無責任な言説を撒き散らすより、この危機に向き合ってみませんか?

危機という熟語が示すように、最大の危険な状況こそが、最大の機会と向き合っているのですから。

 

2.優良中小企業が1000万以下で買える

 

私は実はこの記事も読んでいます。

300万円あったら小さな会社を買ってみよう

 

まあ、現実問題として300万で買える優良企業というのは流石にほとんどないとは思います。でも、1000万だすとかなり選択が広がります。

今日はこんな記事も見つけました。

普通の人が会社を買ったら、何が起きた——廃業リスクは22兆円、救世主は個人のM&A

実は、私が過去に読んだ記事のひとつで、一番気になったのは日本のこの後継者不足による大廃業時代に目をつけて、外国人それも大資本家とかではなく、日本でどうにかやっていきたいアジア系の人たちも買いに入っているというレポート。

そもそも私が、地味という言葉をなぜわざわざ付けたかというと、いかにものベンチャー企業やら、IT系やら横文字系の会社をまったく想定していないからです。

 

上の記事に出てくる例も、ひとつは、

独立系の都市近郊の薬局

もう一つはさらに規模が小さく、地方発、

ぬか漬けの販売

 

薬局の場合は、もともと製薬会社に勤めていたサラリーマンが、30歳になって買収を成功させたもの。

まったくゼロからの起業と違い、優良物件の場合、市場もキャッシュフローも確立しているので、当初の融資を探すのも、ずっと楽です。

もちろん、経営の勉強はしっかりしなくてはなりませんが。

 

あと、この例の場合注目してほしいのは、まったく勝手がわからない業界ではなく、自分がサラリーマン時代になじみのある会社を買収していることです。

 

ちなみに、一つだけ注意してほしいのは飲食業。たぶん小規模経営で一番浮き沈みが激しく継続が難しいので。

 

ほらよくあるでしょう。お金をためてカフェを開きたい地味独身OLさんとか。

 

そこのところは、どうか現実的に考えてください。

 

あと少し前までは、賃貸物件は鉄壁でしたが、今や少子化が加速しつつある状況ですから、特に地方の場合賃貸物件による収入は、先々かなり不透明です。

 

まあ、いろいろアジア系の文化や言語を学んで、移民者向けの賃貸に特化するなっていうのは面白いと思いますがね。

 

3.新しい持ち主(社長)への国へのサポートが進んでいる。

 

すでに、事業引継ぎ支援センターというサポート機関も設立されてます。あと、とにかくこれは日本の経済の屋台骨を揺るがしかねない状況なので、小規模M&Aのマッチングサービスもどんどん充実してきています。

 

もちろん、しっかり勉強しましょうね。調べもせずに高い買い物はできません。いろいろな会社関係の会計や実績がらみの書類資料をしっかり読めるようにしましょう。

 

大体、今世界的に超低金利で、さらに日本の場合金利なんてないようなものでしょう。銀行は安全に貸せる場所をいつも、ひーひー言いながら探しています。

 

あと、これは中小企業主として常識なのですが、一定の負債は抱えたままにしたほうが良いのです。つまりレベレッジをキープするのですね。で、そういう資金によって、正しい将来への投資をするのがいわば健全な経営の常識です。

 

あとまあ、銀行とはともかく長いお付き合いをしたほうがいいですよ。実家の近くには私が生まれた時からお付き合いのある信金とかありますから。

ぶっちゃけ、銀行を信用してはいけないけど、銀行や信金に’安全パイ’として好かれる会社にしましょう。

 

父が良く言っていたのは、’銀行は晴れた日に、傘を貸したがるところだよ。’これです。

 

4.中小企業主としての、税制上の恩恵

さて、なんで企業主が一番得かというお話です。

私がFPとしてお客様の相談に乗る際に、基本誰もが真っ先に挙げる話題が二つあります。

一つは老後のための計画、そしてもうひとつは

税金対策

 

イケハヤさんも、マナブさんも、すでにこの手の話題に触れてますし、イケハヤさんの場合はすでに、法人にして給料をずーっと安くもらって、その代わりにいろいろなものを経費で落としているようですし。

 

私はもうこれ本当に、物心ついたころから父のやっていることを見てきましたから。

 

特に高度経済成長期のころは、経費の落とせる今以上におおざっぱだったので、建築業界のニッチで、結構好きに業績を伸ばしていった父は、本当によく接待という名目で銀座に日参してました。( 1970年代の物価で座るだけで、5万とか10万とか、嬉しそうに教えてくれたのを覚えています。)

まあ、あまり家庭環境としてはよくなかったのですがね。母はすごく嫌がってましたし。

私は、どちらかというとなんでも父親目線で見る傾向が強かったので、お水のお姉さんたちのことが結構昔から好きでした。

 

まあ、今は妹が社長ですし、昔より経費、特に接待費の名目に関してはうるさくなりましたが、高いといっても高級クラブに比べると、お食事の接待は安いし、簡単に落ちます。

 

車なども、基本会社のものにできますし。

 

あと、福利厚生費を潤沢に使ってあげると、働いてくださる方々が長続きしてくれます。人というのは基本長く勤めてくれればくれるほど、少なくとも中小企業はずっと有利です。

 

それこそ、若い人達を惹きつけることもできますし。

 

どうも話が飛びますが、昔からうまくいっている中小企業のオーナー社長のほうが、大企業の重役より羽振りが良いと決まってますので。

まあ今や、日本の場合、大企業でもこの先どうなるかわかりませんがね。

 

5.日本という資本主義国の経済を支える

 

これ本当です。実際問題として本当に今の予想で挙げられている中小企業が実際にすべて廃業してしまったら、日本の経済が半壊します。

 

あのね。ブラックな会社がいやだったら、一番いいのは自分で会社を持つことです。

あなたが社長だったら、いくらでもホワイトな会社ができるし、理不尽な無駄はどんどんは廃止できるし。

 

これは、繰り返しますが高度経済成長期以来の、Big Chanceです。

 

いま、後継者不足で廃業を迫れれている会社はみな、創業者たちがそれこそ艱難辛苦乗り越えて、やっと育て挙げた会社ですから。

 

同じことをゼロから始めようとしたら、倍どころかものによっては10倍の資本が必要ですし、あとリスクも違います。

 

株式会社のいいところは、まあうまくいかなかったら会社で保証している以上の負債を支払わずに、破産できやり直せるところです。これは個人が負う負債との決定的な違いでもあります。

 

自分が将来会社のオーナーになると言う目標を立てるのなら、正直どんな形で資金を作ってもよくありませんか?もちろんあなたが本当にやりたいことを見つけているのなら別だけで、それは多分非常に限られています。

 

同じ、お金に集中して未来設計を今たてるのでしたら、この方が面白くないですか?

 

6.あなたが社長担った会社に未来がある理由

 

最後に少し、バラ色の未来の可能性についてコメントしましょう。

 

後継者がいなくて廃業を考えているような中小企業が、多分一番遅れているのはIT化です。大体私の妹の会社でも、まずそこから変えるつもりですから。

 

せっかく会社を買っても、今までと同じような人数でやっていくのはたぶん無理でしょう。

ですから、

少数精鋭とIT そしてAIやロボットです。

 

そして、製造業でしたら、Netに強い若い世代ほど、たとえば今までリーチがなかったエリアにまで、市場を広げていくことも可能ではないですか?

 

まるっきりゼロからの起業ではなく、会社の収益ベースがすでにととのっているところに主にテクノロジー系のイノベーションを加えていくわけです。

 

そしてあなたの会社だったら、別に今までどおりの週40時間、そしてわざわざ毎日オフィスに出で来る必要もありません。要はきちっと生産性があがり、収益が持続すればいいのですから。

 

うまく行き過ぎて、どこかの大企業が買いに来るかも知れません。もちろん売ってもいいし、そして売った後また違うお宝の卵を探して育てるのもいいでしょう。

 

7. With Corona をチャンスとして生かそう

 

振り返ると、日本はあの2011年の大震災で、もう少しまじめに未来について考えるべきでした。でも、あっという間に昭和型支配層のもっとも旧態依然とした層が、この国のトップに復活し、そのまま若い人はどんどん閉塞状態に陥っていった。

 

でも、今回のコロナ禍で、どうやらいろいろな旧態は、もうそのままではやってい行けないところに追い詰められていると思います。

 

さらに、もはやわざわざ都市部にオフィスを設けるような固定費の高い起業は、意味を失いつつあると思います。

 

だからこそ、いまがチャンスだと思います。

 

富裕層と私が言う場合、別に億万長者になれといっているわけではないのです。

 

お金のためだけに、あくせくし不興に甘んじるような状態から永久に抜け出すこと、

 

私にとっては、それこそが、

 

富裕層と呼ばれるべき幸福の経済的基盤だと思うのです。

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