この本は、8年ほど前に、本屋で手に取ったものです。あの頃はまだ、本は一応本屋で紙の本を買うのが普通でした。いまでこそ、ほとんどの書籍はKindle版で済ませますが、いまだに本屋は好き。

 

行くのはたいたい、Barns&Noblesという、いまだにリアルの本を残しているチェーン。

ほかのMajorな本屋チェーンはすべてアマゾンに負けて潰れました。

Barns&Noblesがどうにかやっているのは、いくつか理由があります。

Starbucksが中に入っていて、なおかつ大学用の教科書センターをやっているとこが多い。

とはいっても、どんどん、アメリカ版のラノベ、子供向け教育玩具、そしてキャラクターグッズの占める割合が増えています。

あ、日本のキャラクターグッズかなり割高ですが、この手のグッズの50%以上占めてるとこ多いです。あと、翻訳版日本の漫画もどんどん、売り場増やしてますね。

 

ともあれ、私はいまだに本屋、つまり、Barns&Noblesに行くのが好き。

私の場合、軽い落ち込みは本屋に言って直します。

高校生時代から筋金入りの立ち読みエキスパートですから、私の潜在意識に引っかかる本をどういうわけか手にとってしまい、それを読んで元気をとりもどす。ちょっと単純すぎるのですが、このパターンでなんど助けられたこか。

 

 

さて、この本ですが、装丁からして異色です。

ふつう、自己啓発系、(こちらではよくLife Coachといういいかたをするのですが)は最低どこかにアメリカ風の真っ白な歯を見せるスマイルを浮かべる著者の顔写真が載っていることが多いのですが、この本の場合どこにも写真がありません。

おもしろいことにこれは著者が意図的にやったことなのだと前書きでいってます。

そして何より異色なのはこの著者の場合、すでにはっきりとBioTech系のベンチャーで金銭的なゴールを達成しまっていること。この本の売り上げは彼が支持する癌治療研究のサポートにすべて寄付され、しかも頼まれもしないのに彼は名のある全米の図書館すべてにこの本を寄付しています。

かれのWebsiteには、PDFもあります。ただし、私の知る限りでは、日本語訳は出ていないようです。あ、こういうサイトこそ、Netで英語増強力をつけるのに使えます。その話はまあ、いずれ、Noteでまとめますが。

 

あ、ちなみにこのひとアメリカで大成功はしましたがもともとはイギリス人です。

 

3ステップのうち、一と三はある意味他の自己啓発本にもよく登場するポイントです。一はメンタルタフネス、三は日本で言うところの’引き寄せの法則’系の考え方。

 

ただし、一番説得力があるのは、彼が成功するまで、これらの法則がどうやって育まれ、使われていたかが非常に詳しく語られている点です。しかも彼の生涯ロールモデルであったお母さんの話と彼の反面教師であった、お父さんの話がかなり包み隠さず語られているのもすごい。

 

彼はリバプールのWorking Class出身で、子供のころ赤貧と呼ぶべき状態も経験しています。でもできた親の力ってすごいものですね。お母さんの子供に対する信頼がいつも肝心要のところで最後の一押しになって先へと進んでいる。

 

あ、これはお母さんの期待に添った人生を歩いたと言うことではありません。彼が子供だったころのイギリスの階級感覚と言うのはとてもまだ強く、彼が何か前例のないことに挑戦しようとするとものすごい逆風があったということです。そういう時彼の人生前半ではこのお母さんが後半では奥さんがゆるぎのない信頼をもってサポートしたということです。

 

正直、この本を最後まで読んでしまったのは、このひとの個人のお話に引き付けられたから。

 

ステップ一には、どうやってメンタルを強くたもてるかその具体的な技術のようなものがあり、これはかなり有効度が高い。ただ、一番肝心なのはそういうスキルの話の前に彼がお母さんの人生についてたんたんと、結構事細かに書き連ねていて、そこがすごく説得力にすぐれてる。

 

彼は最初海軍の将校養成学校にはいったのです。もちろん彼の階級からの前例なし。でも、ここでかれはめきめきと頭角をあらわし、さいごにはものすごく将来を期待されるまでになるのですが、結局このキャリアから逸脱します。

これは最初読んだ時にはなんてもったいないと思ったのですが、最大の理由が乳がんになってしまったお母さんから離れっぱなしになることが耐えられなかったから。

でも、この決断がやがて彼をBioTechの世界とむすびつけるのですから、人生自分で選択することがどれだけ大事なのかということをなにかちょっと不思議な運命の導きみたいな感じでうけとめました。

 

さて、私が一番影響を受けたステップ二は、端的にいって瞑想のすすめです。

彼のやり方はけっこう凝っている感じで、そのとおりにやるのには余り長く続きませんでした。

ただし、私自身この第二部を読むまでは、瞑想の重要性、そして脳がどうやって発達していくのかその重要性について余り考えていませんでした。

 

この本を読む少しまえから最近の脳生理学についての本をすこし読み出していました。

まず、一番大きな発見は、なんといっても脳はいつまでたっても教育でき新しいシノプシスの結合を増やせると言うことです。いつまでたっても、新しいことを習おうとすることはけっして無駄にはならないということ。その少し前までは脳の成長は中年でとまるというのが常識ですから、これは個人的にうれしかった。

 

それと、脳が身体を動かす以上、いわゆるイメージトレーニングの重要性にも、ことこまかに触れられています。

この本の著者はBiotech関係の事業で成功した方ですから、いわゆる精神論、もしくはSpritualな説明でなく、いろいろな一番新しい脳の研究成果を紹介しつつ、瞑想とイメージトレーニングがなぜ彼のステップ二なのか、説明されてます。

 

もうひとつ、彼の強調する大事な点があります。それは瞑想にしろ’Quiet Time’にしろ、かならず自分ひとりでやることです。

 

 

ステップ三はいまや自己啓発書系ではほぼお約束と化した’引き寄せ’について。

前二章と同じように、著者の経験を基にかなり独自な説明をしています。

 

英語だと’Law of Attraction’,あるいは’Power of intention’とかよく言いますが、日本では一番なじみがいいのはたぶん’引き寄せの法則’だとおもいます。

 

私は最初はあまりこれ苦手だったのですが、さすが自己啓発に関心を持つようになってから色々読みました。

 

大体のことを理解したうえで自分の人生をふりかえってみると、やはりほんとうにもう心のそこから望んだことはかなっているのですよね。

 

一番大きなことは何よりアメリカで生活していること、中二のときに父がなぜか私を彼の友人の商社マンのおうちにHomeStayさせてくれるという幸運があり、それ以来いつもいつも心のそこでアメリカにもどるんだと思い込んでいたのです。ずいぶんそんな願望から遠く離れた時期もあったのに。

 

その次はアメリカに留学して、最初の学期が終わる前に、もうPH.Dをとることを心に決めていたこと。日本で大学に行かなかった私の、まあ落とし前でした。

 

この本の著者は’Power of intention’と言う言葉使いをもとに、その強さの進行をこう言い表しています。

1・ Desire 欲求あるいは欲望、はっきりとした欲望なしにどんな引き寄せも起こりえません。今の私は私が本当になりたい私ではない。そんな気持ちも大事にしていいのだと思います。他の人にいってもいわなくてもいい。打ち明ける相手をこの時点で間違えると次の段階にすすむエネルギーを失ってしまうこともあるし。

2. Belief 信念、始めはこうしたい、ああなりたいと望んでいいるだけだったものが、このレベルにまで達すると、具体的に自分の生活を少しずつ変化させていくエネルギーを生み出します。この時点では逆に親しいひとたちに知らせたほうがいい。私は一番最初に父に留学したいと言うことを話しました。その時点ではもう自分の留学先を探し始めていました。

 

さて、結構この二つのレベに達したあと、実際に引き寄せが起こり始めるのだと思います。でその第三段階が

3.Knowing なんというかこうなることを知っていた。これが本当の既視感とでも言えばいいのでしょうか。

 

とまあ、私にとっては、一番説得力のある、’引き寄せの法則’の’実例’でしたね。

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