日本のオンライン教育が進まない理由は、IT,ひいてはクラウドベースで普通に仕事をすることがまだ身についてないから

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さっきまずこの記事を読んで、つくづくずれているなあと思いました。

日本で「オンライン教育が進まない」本当の理由 海外よりIT技術が遅れているわけではない

ヨーロッパのこと知りませんが、アメリカの公立教育のことなら良く知ってます。

IT技術が遅れているいない以前に、結局日本の大多数の人が先進国、いやアジアの今元気のいい国に比べて、ものすごく

ITを使いこなす能力が遅れてます

そもそも、日本の紙の教材が優れているとか、塾がどこにでもあるからいいとか、一体いつの話ですか。

今格差が進んでいる中で、

公立の学校が無料で配布する以外の教材を別に買うだけのお金があるという前提でしょう。

私の娘は、Baltimore市のPublic School Systemで育ってきてますが、高校からは選抜プロセスが必要とされる、STEM教育に重点を置いているMagnet Schoolに通っています。

Magnet Schoolというのは、公立学区内で、いわば優秀な生徒をまとめて伸ばす高校です。娘の通う高校は、Baltimore市内の高校では、STEM教育で一番です。まあ、これが公立かというほど、みんな良く勉強します。宿題と課題をこなすだけで目いっぱいなので、いじめも変なスクールカーストもなし。

ですから、一年目は10%以上ついて行けなくて転校していきます。

制服ありますよ。ただ日本の制服みたいに高くないし、アウトソースしたところで売っているし、後、卒業して使わなくなった制服を寄付してもらって、超低価格で売ったり、無料で配布したりします。

そしてぼろですが、

教科書は無料です

あのさー、今はとにかくいろいろなものを使いまわすのが普通でしょう。で、教科書ってそもそも結構つまらないでしょう。だからいろいろNet経由で使えるものを使うのは当たり前だしりにかなっている。

正直この人、この人は日本の比較的裕福で頭の固い女性によくある,

100%手作り志向に固まってますね。

格差が広がっても、どうにか暮らしていけるのは、例えばユニクロのように、安く手質の良い製品が手軽に手に入ったり、かなりのコンテンツはネットで無料でアクセスできますし。この手造り志向は、本当に裕福で暇があるマダムみたい。例えば今手作りセーターなんかつくったら、時間も材料費もすごいことになります。(天然素材の毛糸ってすごく高いの知ってました?)

今、娘の高校は基本100%ネットラーニングなので、先生が色々なリンクを送ってくれます。フランス語を取っているので、フランス語の歌を聴いてたりするのが聞こえてきます。(娘は何故かフランス語のクラスがすごく好きです。自国語の英語で、発達障害で苦労してるので、外国語の授業が逆に楽しいみたい。モロッコ出身のフランス語がNativeの先生にやたら気に入られていて、一度娘と一緒の帰り道にあって、突然話しかけられ、激賞されたときは逆に戸惑いました。はっはっはー)

一方で、アメリカは公立校でも、そしてクラス数がすごく多くなる半面、

一クラスのサイズは基本20人前後です。

このくらいのサイズまでだと、先生が一方的に話すのではなく、質疑応答、先生がファシリテーターになってやる議論、そしてグループ作業など様々なことをやりやすい。

後、今アメリカの公立高校はほとんど、州レベルからこのSystemを使っています。

Infinite Campus

これ、簡単に言うと、先生ごと、クラス毎のすべての記録がここに集められどんどんリアルタイムで更新されます。そして、生徒と保護者は、自分に関する情報にすべてアクセス可能です。

アメリカの場合、小学校高学年ぐらいからすでに、新しいクラスが始まることに、シラバスといって、クラスの説明、内容、使う資料、そしてここが一番大事ですが、採点方法が事細かに開示されます。

で、高校からは、このInfinite Campus経由で、

自分の成績状況をすべての採点結果と共にフォローできます。

さらに、娘のようにたまに宿題や課題の事細かな内容に混乱したときも、後で見直して、状況によってはCatch Upすることもできます。

アメリカの公立学校は、確かに私立に比べ物理的な設備ではずっと劣りますが、そんななかで、ネットラーニングは、貧しくとも、機会均等を支えるすべとなっているのです。

はっきり言って、コロナ禍のアメリカでネットラーニングの最大のボトルネックは、

パソコンの所有率と、Internetへの接続でした

内みたいな高校でも、所得が低い層のために、無料のランチサービスがあるし、あといろいろなNPOと協力して、

パソコンの貸し出し、廉価パソコンの販売をすごい勢いでやってました

アメリカの公立学校のシステムそのものは日本に比べものすごく進んでいます。でも、それでも日本に比べ、アメリカの公立学校からは、悪い評判ばかりはいってきがちです。

その理由は簡単です。

アメリカの貧困階級がとにかく日本と比べ物にならないほど大きくひどい

だから、こんな金持ちのマダムのいうことは無理して、アメリカ型の公立学校のシステムを取り入れることは、むしろ日本の公立教育の向上につながります。そしてその基盤もネットラーニングにすると、とにかくスケーラブルですから、費用もそこまで莫大にならない。

日本の子供たちは、まだそこまでアメリカのように大体数が荒んでいる状態には至っていない。

でも、こういう見当違いな意見がまかり通るようでは、先が怖いです。